Frontiers in Neuroscience誌に感覚過敏と脳内GABAとの関係について論文が掲載されました。

Frontiers in NeuroscienceにMRspectroscopy(MRS)で計測した脳内のGABA濃度と感覚過敏との関係についての研究が掲載されました。視覚野、感覚運動野(一次体性感覚や・一次運動野)、補足運動野、腹側運動野に関してGABAの計測を行い、青年成人感覚プロファイルのスコアとの関係を調べました。その結果、腹側運動前野のGABA濃度が低いASD者は、感覚過敏と感覚回避のスコアが高いことが示されました。腹側運動前野は、我々の先行研究(Ide et al., 2020, Front Neurosci)で、極めて高い触覚の時間分解能をもつASDの症例で、課題遂行中に強い脳活動を示していた部位です。Ide et al., JADD)で、触覚の時間分解能と感覚過敏との関係を報告していることから、腹側運動前野を含む脳の神経回路が、時間分解能と感覚過敏に共通する神経基盤である可能性を示唆します。

 

著者:Umesawa Y*, Atsumi T*, Chakrabarty M, Reiko F, Ide M

タイトル:GABA Concentration in the Left Ventral Premotor Cortex Associates With Sensory Hyper-Responsiveness in Autism Spectrum Disorders Without Intellectual Disability

雑誌:Frontiers in Neuroscience

URL:https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnins.2020.00482/full

2020年05月19日